「岡本、おまえも一緒に来い」
「おれも大阪にか? なんでだ」
「おれたちの青春を書き直すんだ」
「大阪で青春を書き直す? どういう意味だ」
「この流れだ。少しは想像してみろ」
「まさか、飯倉奈都子が大阪にいるって話か?」
「ああ、あのときのままの飯倉奈都子がな」 続きを読む
ボイスエッセイ
過去からの贈り物(下)
20年ぶりに再会するその人は、間違いなく45歳になっているはずだった。なのに、僕は幻覚を見ているのか。その容姿も体型も、髪形も服装も、眩いばかりの精神の溌剌さも、もう何から何まで、僕の記憶に鮮明に焼き付いている、20年前の彼女そのままなのだ。
「語り人さん!」昔のままの澄んだ声で彼女は僕を呼んだ。
タイムスリップした人のように僕はうろたえた。 続きを読む
過去からの贈り物(中)
あらためて僕はこう言わなければならないだろう。
「頼むから、僕を自由にしないでくれ」
ひとりでいることが自由でないことくらい、
僕だって知っている。 続きを読む
過去からの贈り物(上)
絶賛連載中だった(?)「ジョージの伝言」6章を最後に消息不明になっていた語り人です。えっと、更新が昨年の8月だから、つまり半年近く僕は行方をくらましていたことになる。
続きを楽しみに待ってくれていたかた、そして借金取りみたいな催促のメッセージをくれたかた、ごめんなさい。正直に言います。語り人は居留守を使っていました。 続きを読む
大阪へゆきたし(下)
さあ、これで大阪へゆく準備は整った。
仕事のスケジュールを組んでくれないか。
もちろん収録でも生放送でもかまわない。
僕はマネージャーに元気よくそう告げた。
「大阪へゆきたし(上)」のつづき 続きを読む
大阪へゆきたし(上)
電車内や待ち合わせスポットのあちこちで、
新入生や新入社員を物色する楽しい4月も
いつのまにか終わった。(もう7月だよ!) 続きを読む
言葉のレストランへようこそ
先日、文化放送を訪れた。
僕にとって文化放送といえばやっぱり四谷だが、
2006年に浜松町に移転した。 続きを読む
送信されなかったメッセージ
送信ボックスに保存されたまま置き去りにしたメールってあるよね。
投函されることなく机の引き出しに仕舞われたままの手紙みたいに。
みなさんにも心当たりがあると思う。 続きを読む