どうやってエンディングを迎えたのか、よく覚えていない。
こうしてすべての収録を終えた。
海底から地上に戻り、僕は大きく息を吐いた。 続きを読む

どうやってエンディングを迎えたのか、よく覚えていない。
こうしてすべての収録を終えた。
海底から地上に戻り、僕は大きく息を吐いた。 続きを読む
自分の仕事ができること以上に大事なことなんてこの世にありはしない。
だから、返事は決まっている。「もちろん、やります」。
そう応えて僕は、孤独なナレーションブースに潜り込んだ。
深い海底にたった一人で潜る潜水夫みたいに。 続きを読む
「は~い、ぜーんぶいただいちゃいました。ブラボーよ、語り人ちゃん!」
終わって我に返ると、ブースの窓の向こうにスタッフみんなのスタンディングオベーションが見えた。ありがとう! だからやめられない。声優ほど、素敵な商売はない。 続きを読む
100回断られる仕事をしているのに、101回目のオファーを断るなら、あるいは待てないなら、やめたほうがいい。ここは、そんな断られてばかりの競争過多の業界だ。それだけに、101回目の仕事の味は格別だよ。楽しくないわけがない! 続きを読む
今日は久しぶりに、無条件に楽しい仕事をしてきた。
あ、いつも楽しいよ。僕は楽しい仕事しかしないから。
でも、「無条件に楽しい」というのは、そうそうあるわけじゃない。 続きを読む
結論を言ってしまえば、最後のレッスンで録音した彼の声は、最初のものとは別人といってよかった。 続きを読む
「来週はキャッチボールをやりましょう。グラブとボールは私が用意します」
「えっ、キャッチボールは喩えではないのですか?」
Mさんは驚いたようだったが、言った僕自身がもっと驚いていた。 続きを読む
彼が何を言っているのか、僕には半分も理解できなかった。
使用言語はたしかに日本語なのに…。
原因はすぐにわかった。それは… 続きを読む
「声に抑揚が無い、一本調子、ロボットのような口調、 聴いていて疲れる、等々指摘されております。よく通る声、人に不快感を与えない声になりたい。インストラクター認定試験に合格し、1人前になることが当面の目標です」 続きを読む