どうやってエンディングを迎えたのか、よく覚えていない。
こうしてすべての収録を終えた。
海底から地上に戻り、僕は大きく息を吐いた。 続きを読む
第2話 ボイスアクター編① 声優ほど素敵な商売はない
第2話3章 ナレーターズハイ
自分の仕事ができること以上に大事なことなんてこの世にありはしない。
だから、返事は決まっている。「もちろん、やります」。
そう応えて僕は、孤独なナレーションブースに潜り込んだ。
深い海底にたった一人で潜る潜水夫みたいに。 続きを読む
第2話2章 身体の中心で愛を叫ぶ
「は~い、ぜーんぶいただいちゃいました。ブラボーよ、語り人ちゃん!」
終わって我に返ると、ブースの窓の向こうにスタッフみんなのスタンディングオベーションが見えた。ありがとう! だからやめられない。声優ほど、素敵な商売はない。 続きを読む
第2話1章 声優ほど素敵な商売はない
100回断られる仕事をしているのに、101回目のオファーを断るなら、あるいは待てないなら、やめたほうがいい。ここは、そんな断られてばかりの競争過多の業界だ。それだけに、101回目の仕事の味は格別だよ。楽しくないわけがない! 続きを読む
第2話序章 無条件に楽しい仕事
今日は久しぶりに、無条件に楽しい仕事をしてきた。
あ、いつも楽しいよ。僕は楽しい仕事しかしないから。
でも、「無条件に楽しい」というのは、そうそうあるわけじゃない。 続きを読む