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	<title>声で人生が変わる！「愛と再生」のボイス・ストーリー　ユアボイス・マイボイス &#187; リップシンク</title>
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	<description>あなたは自分の「声」が好きですか？ あなたは「声」で損をしていませんか？</description>
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		<title>第3話7章　一流の女性たち</title>
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		<pubDate>Mon, 06 Oct 2014 08:19:27 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[kataribito]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[第3話　ボイスアクター編②　一流の証明]]></category>
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		<description><![CDATA[そのとき突然、一柳が振り向いたので目が合ってしまった。一柳は少し驚いた表情を見せたが、横にいる茂森愛由美の存在に気づくと、さらに驚いた顔をした。 「おやおや」と一柳は言った。 「おやおや」と負けずに僕も返した。 （6章「 [&#8230;]]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p>そのとき突然、一柳が振り向いたので目が合ってしまった。一柳は少し驚いた表情を見せたが、横にいる茂森愛由美の存在に気づくと、さらに驚いた顔をした。<br />
「おやおや」と一柳は言った。<br />
「おやおや」と負けずに僕も返した。<span id="more-286"></span></p>
<p>（6章「<a href="http://kataribito.net/03/03-6/">一流の選択</a>」のつづき）</p>
<p>「語り人さん直々のお出迎え、まことに痛み入ります。しかも目の覚めるような麗人もご一緒とは、なんとも光栄の至りです」</p>
<p>驚いたときいつもそうするように、一柳は慇懃な態度でおどけて言った。</p>
<p>「何をおっしゃる。<b>赤坂・汐留近辺</b>をワーキングスペースとする貴君を<b>横浜</b>くんだりまで呼びつけたんだ。このくらいの歓迎は当然だ」</p>
<p>そう言って僕も応戦した。「しかも、やんごとない同伴者もおいでとは、貴君も隅におけない。ぜひご紹介賜りたい」</p>
<p>「あーはっはっはー！」一柳は得意のごまかし笑いをした。<br />
「あーはっはっはー！」僕は苦手のごまかし笑いをした。</p>
<p>「いつもそうやって、ふたりで遊んでるんですね」</p>
<p>一柳の連れの女性が口を開いた。<b>人に命令や指示を出すことに慣れている声と物言い</b>だ。</p>
<p>「あ、失礼。私、<b>三条玲子</b>と申します。三つの条件の三条に、王ヘンの玲子です。今日はお仕事の現場にのこのこついてきてすみません。私が一柳さんにお願いしたんです。語り人さんにぜひお会いしたいと」</p>
<p>「は？　僕に、ですか？」僕は素っ頓狂な声を上げたはずだ。<br />
「ええ、そうです。一柳さんの話に一番多く登場するのが語り人さんなんです。彼はあなたのことになると、とてもうれしそうにイキイキ話すので、どうしてもお会いしたくなりました」</p>
<p>「一柳をもっとよく知るために、ですか？」と僕は訊いてみた。<br />
「失礼ながら、おっしゃるとおりです」<br />
「なるほど。<b>どんな人物かを知るにはその人の友を見よ</b>、ですね」</p>
<p>「気分を害されたのなら謝ります」<br />
「とんでもない。<b>率直さは一番の美徳だ</b>と僕は考えています。だから遠慮なく、その調子で」僕は笑って言った。「率直さにかけては僕も一柳も相当なものです<span style="color: #000000;">。だから<strong>敵は多く友達は少ない</strong></span>」</p>
<p>「想像どおりの方ですね、語り人さんは。安心しました。それから、たぶん間違いないと思うのですが、そちらのお嬢さんは茂森さんですね」と三条玲子は一柳ではなく、僕と茂森愛由美を見て言った。</p>
<p>一柳が茂森愛由美のことまで彼女に話していたことに、僕は少なからず驚いたが、当の本人はいたって素直にあの<b>シャンパンスマイル</b>で対応した。</p>
<p>「はい。はじめまして。茂森愛由美と申します。一柳さんとは一度お会いしただけですが、語り人先生からいつも聞かされていますので、よく存じ上げております。その意味では三条さんとおなじですね」</p>
<p>茂森愛由美の発言に、三条玲子は初めてにっこり笑って言った。<br />
「本当に素敵な女の子。ふたりの中年男が夢中になるのも無理ないわね」</p>
<p>「いや、おれは違うよ。おれが夢中なのはあなただけだ」<br />
ここでやっと一柳が口を開いたが、三条玲子はその<strong>甘いセリフ</strong>をスルーして意外なことを言った。</p>
<p>「やっぱり、語り人さんは茂森さんの先生になっていたのね。すごい！　一柳さんの<b>予言どおり</b>だわ」</p>
<p>「<b>予言</b>って、一柳、どういうことだ？」僕は一柳に詰め寄った。<br />
「ていうか、あの状況から<b>当然の帰結</b>でしょう」</p>
<p>「あの日のおまえは、三条さんのことで頭がいっぱいだったはずだ。でも結局、何も話してくれなかった。名前だって今はじめて聞いた」<br />
「カチカチ山のメタファから<b>心理分析</b>をして、おれの<b>病状</b>を言い当てたじゃないすか」</p>
<p>「そのくらいわかる。<b>おまえの心は、ただ一人の女性への想いで溢れていた。そしてその女性のために、変わろうとしていた</b>」</p>
<p>「でもあの日<b>あの場所にもう一人、変化を必要としてる人が現れた</b>」</p>
<p>「わたしのこと、ですね？」一柳の言葉に茂森愛由美が敏感に反応した。<br />
「そう。<b>君は語り人さんを求めるはずだし、語り人さんは君をほうっておかないだろう</b>と思った」</p>
<p>「おいおい、だから三条さんのことを打ち明けるのをやめたっていうのか」<br />
「そうっす。しばらくは二人の問題に集中させてあげようと思ったんすよ」<br />
「余計なことを」僕はため息を吐いた。</p>
<p>「お互いが相手を思いやっていたって話ね。まあ、<b>美しい友情</b>だわ」<br />
三条玲子はそう言うと、一柳と僕をそれぞれ睨みつけてからまた言った。</p>
<p>「それはそうと、私たち相当目立ってるわよ。いつまで私と茂森さんをここでさらし者にする気？　<b>夢中になると周りが見えなくなる</b>。本当にお子ちゃまなんだから」</p>
<p>「ごめんなさい」一柳と僕は同時にお子ちゃまらしく謝った。<br />
茂森愛由美がクスクス笑って言った。「先生、あと5分で2時です」</p>
<p>「やばい。一柳、着いたらすぐ<strong>本番</strong>だぞ」<br />
「うーっす」</p>
<p>スタジオに入ると、寺さんが<b>父親みたいな顔をして待ちかまえていた</b>。<br />
「遅いから心配したよ。デートには時間が足りなかっただろうけどさ」</p>
<p>「寺さん、からかわないでくださいよ。一柳と駅でばったり会って、ちょっと立ち話が長話になってしまって…」彼女の父親に言い訳するみたいに僕はしどろもどろになった。</p>
<p>「寺さん、お久しぶりです！」一柳が声をかけた。<br />
「一柳くん、久しぶり！　何年ぶりかな、４～５年は会ってないよね。ちょっとオジサンになったけど、相変わらず二枚目だね」</p>
<p>「寺さんもお元気そうで。相変わらずフィギュア作ってますか。今日は<b>文句なしのモデルがきた</b>って興奮してるんじゃないっすか？」</p>
<p>「一柳くん、なんでわかるの？」<br />
そう言って寺さんは、茂森愛由美をチラリと見て赤面した。それから一柳のうしろにいる三条玲子に目をとめた。</p>
<p>「今日はいったいどんな日よ！　べっぴんさんばっか現れてさ」</p>
<p>「おじゃまします。三条と申します。今日は<strong>一柳さんの付添人</strong>という位置づけでお願いします」</p>
<p>「ああ、<strong>一柳くんの彼女</strong>という位置づけね。お似合いだよ」<br />
寺さんは三条玲子と一柳をかわるがわる見て、納得したように言った。</p>
<p>「あ、それからこれ、一柳さんからお好きだと伺ったので」<br />
そう言って三条玲子は、寺さんに持参したみやげを手渡した。<br />
「麻布十番の有名なケーキ屋のチーズケーキです。私も大好きです」</p>
<p>「知ってる！　知ってるけど、まだ食べたことなかったさ。うれしいなあ。ありがとう！　あとでみんなでいただこうよ。茂森さんも、なんかおいしそうなもの持ってきてくれたんだよ」そう言ってスイーツ大好き寺さんは、女の子みたいに喜んだ。</p>
<p>知らなかった。こうした気遣いがさりげなくできる茂森愛由美が頼もしくも誇らしく思えた。もちろん三条玲子もさすがだ。</p>
<p>早くスイーツにありつきたい寺さんが号令をかけた。<br />
「準備はできてるよ。いつでもOK」</p>
<p>「さあ一柳、いくぞ。よろしく頼む」<br />
「ほーい。よろしくっす」</p>
<p>ふたりでブースに入り、<b>分厚い台本</b>をページめくりしやすいように整理していると、茂森愛由美がお盆に乗せてコーヒーを運んできた。</p>
<p>「ありがとう、ちょうど飲みたかった」僕は彼女の気遣いに感謝した。<br />
「さすが茂森さん、相変わらずのグッドタイミング」一柳がウインクした。</p>
<p>「おふたりの掛け合いをこうしてまた見ることができるなんて、わたし、うれしいです。ドキドキしています。しっかり勉強させていただきます！」<br />
茂森愛由美の素直さに僕たちは笑顔で応えた。</p>
<p>さあ、いよいよこの瞬間が訪れた。<br />
<b>ビル・ゲイツとウォーレン・バフェットの対談</b>。</p>
<p>僕がゲイツをやり、一柳がバフェットをやり、<br />
そして茂森愛由美が女子大生をやる。</p>
<p>さまざまなシーンが頭の中を去来した。</p>
<p><b>茂森愛由美にまっさきに知らせたときのこと。<br />
バフェットの声を一柳に依頼したときのこと。<br />
翻訳に頭を悩ませながらも楽しく充実した日々のこと。<br />
茂森愛由美に何度も読み直しを命じた濃密なレッスン。</b></p>
<p>寺さんの<b>キュー出し</b>が耳に飛び込んできた。<br />
「それじゃあ、絵を流しまーす。本番、さん、に、いち…」</p>
<p><b>（レコーディング中）</b><b></b></p>
<p>「ストップ！　ちょっとごめん、止めてください。寺さん、すみません」</p>
<p>噛んだわけでも間違ったわけでも、<b>リップシンク</b>がずれたわけでもない。<br />
それは完璧だった。さすが一柳だ。しっかり合わせてきている。</p>
<p>それでも僕は止めた。<b>このままではだめだと思った</b>からだ。</p>
<p>一柳はダミ声を作ってバフェットを巧みに演じていた。<br />
でも違う。それはバフェットじゃない。僕は一柳に言った。</p>
<p>「一柳、なんか違うよね」<br />
「うん。オレもそう感じてるっす」<br />
「バフェットはこのとき何歳だ？」<br />
「あっ…」</p>
<p>「この対談当時、バフェットは70歳だ。もちろん年齢のわりに<b>旺盛な生命力を持った怪物</b>だ。でも声をよく聴いてみろ。単なるダミ声じゃない。独得の＂<b>枯れ感</b>＂がある」</p>
<p>「<b>枯れ</b>」とは<b>人間的な深み</b>のことだ。酸いも甘いも噛み分けた<b>円熟の極み</b>にある人。それが「<b>オラクル（預言者）</b>」と呼ばれるウォーレン・バフェットなのだ。その枯れが、あたりまえだけど一柳にはない。</p>
<p>「枯れが出ないとバフェットにならないぞ。わかるな」<br />
「わかります。今のオレじゃとても無理だってことっす。<br />
でも無理を承知で、少しでも枯れてみせましょう」</p>
<p>「もうひとつ。これが<b>一番大事なこと</b>だ」僕は笑って言った。<br />
「映像との呼吸は合ってる。でも<b>おれたちの呼吸が合っていない</b>。<br />
<b>お互いが一人プレイしている</b>。いつものおれたちでいこうぜ」</p>
<p>「了解っす！」</p>
<p>「寺さん、すみません。もう一度、頭からお願いします」<br />
「はいよ！」</p>
<p><b>（レコーディング中）</b><b></b></p>
<p>「<b>はい、</b><b>OK</b><b>。いただきー！</b>」寺さんの威勢のいい声。<br />
「少し休むかい。それとも続けていくかい。学生さんのセリフ」</p>
<p>「続けてお願いします。さあ愛由美ちゃん、出番だ！」</p>
<p>防音ガラスの向こうのMAルームのソファに、三条玲子と並んで座って祈るように胸の前で手を組み、僕と一柳の吹き替えを見守っていた茂森愛由美は「はい！」と返事をして立ち上がった。</p>
<p><b>（レコーディング中）</b></p>
<p>学生のセリフはあまり流暢になってはいけない。現役女子大生の茂森愛由美は、そのへんのさじ加減を心得ていた。さっきの<b>アナウンンサーしゃべり</b>はどこにもなく、<b>等身大のリアルな女子大生</b>を演じた。</p>
<p>僕と一柳の学生役はどうだったか。年齢的にちょっとキツイんじゃないの？　そう思われるかもしれないが、そんなことはない。<b><b>僕たちはプロだ。</b>いろんな声を持っている</b>。</p>
<p>声だけじゃない。読者もすでにおわかりのように、僕たちはいまだ<b>悩める青二才</b>だ。三条玲子から＂<b>お子ちゃま</b>＂と断じられるほどの<b>未熟者</b>なのだ。その意味で、ゲイツやバフェットといった超大物よりよほど<strong>身の丈に合っていた</strong>かもしれない。</p>
<p>「<b>はーい。オール</b><b>OK</b><b>。ぜーんぶ、いただきましたー！</b>」<br />
「ありがとうございます。寺さんもお疲れさまでした！」</p>
<p>すべての収録が終わり、僕たち５人はテーブルを囲んで談笑した。寺さんお待ちかねの<b>スイーツタイム</b>だ。</p>
<p>三条玲子は「みなさんは休んでいてください。私は何もしていないから」と、コーヒーの用意をしたり皿を並べたりケーキを切り分けたりと、甲斐甲斐しく立ち働いた。茂森愛由美も加勢した。</p>
<p>「寺さん、血糖値はだいじょうぶなんですか」と僕が訊くと、寺さんは「これは<strong>別腹</strong>さ」と意味不明なことを言って、<b>麻布十番名物のチーズケーキ</b>と、茂森愛由美が買ってきた<b>近所で評判のケーキ屋さんのショートケーキ</b>に貪りついた。</p>
<p>「そうそう、一柳くんも三条さんも聴いてなかったね。午前中にやった、語り人くんと茂森さんの吹き替え。もう<b>神がかってる</b>っていうかさ、<b>鳥肌もん</b>だよ」そう言いながら寺さんは、ロビーにある大きなスクリーンに再生した。</p>
<p>「すっごい。何だか<b>愛を感じる</b>わね。ふたりの<b>師弟愛</b>？　それとも…」<br />
三条玲子が映像を見ながらポツンと言った。茂森愛由美は赤くなって俯いた。</p>
<p>「今日の吹き替え、<b>だれが一番ハマってたか</b>って、やっぱ茂森さんだよね。びっくりした。語り人さん、短期間でよくここまで仕上げたっすね」</p>
<p>「彼女の<b>才能と努力と素直さの勝利</b>だ」一柳の感想に僕はひと言で答えた。</p>
<p>「<b>台本も見ないで一度も噛まずにぴったりアテちゃう</b>んだもん。おれもびっくりしたさ。今の女子大生の役なんか、またガラっと変わってさ。語り人くんと一柳くんと同じで、<b>憑依体質</b>なんだね。<b>天才肌</b>というかさ」寺さんがあらためて茂森愛由美を大絶賛した。</p>
<p>「いや、オレなんかダメっすよ。ぜんぜん<b>バフッェトじゃなかった</b>し、<b>バフェットになれなかった</b>。語り人さん、ほんとすみません」</p>
<p>そう言ってがっくりうなだれる一柳に、同じくがっくりうなだれて僕は言った。</p>
<p>「おまえに偉そうにダメ出ししちゃったけど、おれだって同じだ。<b>ゲイツは今日、最後までおれの中に入ってきてくれなかった</b>。愛由美ちゃんは気づいたはずだ」</p>
<p>「たしかに今日の先生は練習のときと違っていました。でもわたし、ずっと映像の顏だけを見ていたのですけど、<b>本当にゲイツがしゃべってる</b>って錯覚するほどでした。それは一柳さんのバフェットも同じです。やっぱりすごいです」</p>
<p>「私なんかが口を挟むことじゃないけど、茂森さんと同意見ね」三条玲子が言った。「途中から吹き替えということを忘れて、とにかくふたりの話に引き込まれたわ。<b>ゲイツもバフェットも、ふつうに日本語をしゃべるんだ</b>って、そんな感じ。それは茂森さんもそうよ」</p>
<p><b>二人の心優しき女性</b>はそう言ってフォローしてくれたが、一柳も僕も自分が一番よくわかっていた。</p>
<p>一柳は<b>技巧派</b>だ。確かにうまい。だがやっぱり<b>ミスキャスト</b>だった。彼はいま<b>恋する少年</b>だ。もっと年配の<b>「枯れた演技」</b>が難なくできる声優を、起用するべきだったのだ。</p>
<p>そして僕はといえば、当時のゲイツと同年代だし、彼のパーソナリティを表現することは特別むずかしくはない。僕は<b>ゲイツを完全に自分のものにしていた</b>はずだ。でも本番で<b>役に入りきれなかった</b>。</p>
<p>理由はわかっている。本番前にいろいろありすぎて、僕は明らかに<b>集中力を欠いていた</b>。</p>
<p>午前中の茂森愛由美との収録で<b>燃え尽きてしまった</b>のかもしれない。そのあとの横浜散歩で<b>心が揺れてしまった</b>のかもしれない。そして、強烈な個性を放つ三条玲子の出現に<b>うろたえてしまった</b>のかもしれない。</p>
<p>言い訳はよそう。僕も一柳も<b>腑抜け</b>になってしまったのだ。<b>心が乱れて演技に集中できない</b>まま、それを<b>口先の</b><b>テクニックで補おうとした</b>。それが<b>「役を生きる」</b>ことができなかった現因だ。</p>
<p>「まあ、そんなに落ち込まないで。語り人くんも一柳くんも、一度も<b>合わせ稽古</b>してないんだろう？　それであれだけ呼吸が合ってんだもん。さすがだよ。<b>これは二人にしかできなかった</b>さ」今度は寺さんがフォローしてくれた。</p>
<p>「それです。合わせ稽古もしないで、<b>ぶっつけ本番</b>でこんな大物の吹き替えに挑むこと自体、大きな間違いだったんす。オレ、傲慢だったっす」</p>
<p>「<b>いや、演出家としてのおれの責任だ</b>」</p>
<p>そう言って僕たちがおのおの<b>自責の念</b>に打ちひしがれていると、三条玲子が急に立ち上がった。</p>
<p>「<b>いい大人の男が二人して、いつまでぐじぐじ言ってるの！　いいかげんになさい！</b>」</p>
<p>三条玲子の声がスタジオ中に響き渡り、場の空気が一瞬にして凍りついた。</p>
<p>「あーはっはっはー！」一柳は再び盛大な<b>ごまかし笑い</b>をした。<br />
「あーはっはっはー！」僕もこのときばかりは一柳にならった。</p>
<p>「あーはっはっはー！」<span style="color: #000000;">なぜか寺さんまで笑い出した。</span><br />
「<b>すんげえ！　三条さんに一本、だね！</b>」</p>
<p>「あーはっはっはー！」<span style="color: #000000;">最後は５人全員の<b>本気笑い</b>。</span><br />
そう、<b>笑いは伝染する</b>のだ。</p>
<p>このとき僕は、<b>一柳が三条玲子に惚れた理由</b>がはっきりわかった。</p>
<p>大好きなケーキをお腹いっぱい食べてご満悦の寺さんが、急にモジモジしはじめた。そろそろ<b>あの件を切り出したい</b>のだな、と僕は思った。</p>
<p>「ところで語り人くんさあ…」みんなが寺さんに注目した。<br />
「あのさあ、茂森さんに訊いてもらえないかな…」</p>
<p>「ああ寺さん、茂森さんに<b>フィギュアのモデル</b>になってもらいたいんでしょ」一柳が寺さんの切なる願いを単刀直入に口にしてしまった。</p>
<p>僕は茂森愛由美に、そして何の話かさっぱりわからないだろう三条玲子に、寺さんの<b>「美少女フィギュア」</b>の栄光とその歴史について説明した。（なんでおれがプレゼンしなきゃならないんだ？）と頭の片隅で思いながら。</p>
<p>寺さんの<b>聖域</b>である<b>「フィギュアコーナー」</b>の上座にまします<b>30</b><b>体の美少女フィギュア</b>を見て、三条玲子が驚嘆の声を上げた。</p>
<p>「すっごいリアル！　<b>生きて呼吸してる</b>みたい。もはや<b>人形の域を超えてる</b>わね」</p>
<p>「<b>ピグマリオン</b>が自ら彫った<b>彫像に恋をして命を吹き込んだ</b>ように、あるいは<b>仏師が仏像に霊験を封じ込める</b>ように、寺さんは<b>自分が作ったフィギュアに、人格と感情と心を付与する</b>能力を持ってるんだよ」と僕は言った。</p>
<p>「へえ、<b>人格と感情と心</b>ねえ。たしかに感じるわ。どれも<b>上っ面だけの典型化された美少女</b>じゃないもの。ところでピグマリオンって<b>ギリシャ神話</b>よね。どんなお話だっけ」三条玲子は俄然、興味を持ったようだ。</p>
<p>「ピグマリオンは<b>ギリシャ神話に登場するキプロス王</b>の若き日の名前だよ」<br />
一柳が解説を引き受けてくれるらしい。</p>
<p>「一柳、<b>ナレーション風</b>に頼む」と僕は注文をつけた。<br />
「了解。やってみるっす」と一柳は応え、鼻で息を吸って丹田に溜め込んでから静かに語り始めた。</p>
<p>「あることがあって<strong>女性不信</strong>に陥り、ずっと独身を通してきたピグマリオンは、<b>彫刻の名手</b>として知られていた。あるとき、<b>美と愛の神ヴィーナス</b>の姿をモチーフにして、自分の<b>理想の女性像</b>を彫った。</p>
<p>それはあまりに素晴らしい出来栄えで、<b>ピグマリオンはその像に恋をしてしまう</b>。そして、<b>この乙女を妻に迎えたいと強く願う</b>ようになる。毎日毎日、像に話しかけ、寝食を忘れて磨き上げた。</p>
<p>これを見た女神ヴィーナスは、ピグマリオンの深い想いに心を打たれ願いを聞き入れる。<b>彫像は生きた娘になり、そうして二人は結ばれた</b>のである」</p>
<p>一柳が大きく息を吐き、エンディングを迎えた。<br />
「はい、OK！　いただき！」と僕は言った。<br />
「すごい、すごいです！」と茂森愛由美は手をたたいて喜んだ。</p>
<p>「ふつうにピグマリオンのこと教えてくれればいいのに、まったくあなたたちときたら、どうしていつもそう大袈裟なの！」三条玲子は怒った顔をして憎まれ口を叩いたが、その目は潤んでいた。</p>
<p>そのとき寺さんが唸り声をあげた。寺さんにとってはピグマリオンの話などどうでもいいのだ。「で、あの…語り人くん、フィギュアの件だけど、どうかな…」</p>
<p>「寺さん、もう打ち解けたでしょ。本人に直接、訊いてみればいいじゃないすか」一柳がそう言うと、寺さんは恥かしそうに頭を掻いた。</p>
<p>茂森愛由美も黙ったまま、恥かしそうに俯いている。僕が代弁した。<br />
「寺さん、愛由美ちゃんはね、<b>アイドル</b>とかそういうの苦手なんです」</p>
<p>彼女がフィギュアになってここに陳列されネットに上がれば、間違いなく話題になるだろう。もう３年、寺さんは<b>美少女フィギュア</b>を誕生させていない。そう、マニアたちは寺さんの<b>新人美少女アイドル</b>を待ちわびているのだ。</p>
<p>「いや、アイドルとかそういうのを、おれは作ってるわけじゃないよ。<b>人気投票</b>とか<b>センター</b>とか<b>神セブン</b>とか、そんなことおれには興味ないし、頼んだ覚えもないさ。おれはただ、おれがビビッときた女の子の今の輝きを、そのまま写し取りたいだけなんだ」</p>
<p>わかっている。寺さんに他意はない。もしも寺さんが<b>写真家だったら思わずシャッターを切った</b>だろうし、<b>画家だったら夢中で絵筆を走らせた</b>だろう。それだけのことだ。寺さんはそういう人なのだ。</p>
<p>「<b>作ってください！</b>」</p>
<p>茂森愛由美と僕が、ほぼ同時に口を開いた。驚いて僕たちは顔を見合わせて苦笑した。寺さんと一柳と三条玲子もびっくりして、次の言葉を待った。</p>
<p>「ただし」と僕が言った。「<b>公開はしないでほしい</b>」</p>
<p>「いいよ」と寺さんは迷わず即答した。「<b>おれは<b>作れればいいんだから</b></b>さ。完成したら語り人くんに預ける。それでいいよね？」<br />
「寺さん、すみません」僕は寺さんに頭を下げた。</p>
<p>「ちょっと待ってくださいよ、語り人さん」一柳が口を挟んだ。</p>
<p>「茂森さんは<b>これから声優としてやっていく</b>んでしょ？　だったら寺さんのフィギュアになることは、<b><b>声優としてまたとないチャンス</b></b>というか、<b>大きな宣材</b>になるんすよ。寺さんの<b>美少女フィギュア</b>にはそれだけの力がある。語り人さん、わかってますよね！」</p>
<p>「わかってるよ、そんなこと！」僕はムキになって返したが、一柳は負けじと冷静に状況を分析した。</p>
<p>「アイドルとかそういうのが苦手って、茂森さんは好むと好まざるとにかかわらずその路線でしょう？　そろそろ<b>ジュニアランク</b>に上がるはずっす。そうすると事務所は、彼女をバンバン売り出しますよ。ほうっておくわけがない」</p>
<p>「それって、いわゆる<b>アイドル声優</b>ってこと？」三条玲子が訊いた。</p>
<p>「愛由美ちゃん、みんなに話してもいいかい？」<br />
僕の問いかけに彼女はこくりと頷いた。</p>
<p>「半年前、<b>事務所サイド</b>からすでにその話は出てたんだ。でも彼女はそれを拒否した。<b>自分はそういうことをやりたいんじゃない</b>ってね。そうしたら鼻で笑われたそうだ。<b><b>演技もろくにできないくせにインテリぶるんじゃない</b></b>。<b>きゃあきゃあ言って笑ってりゃいいんだ</b>って」</p>
<p><b>大手声優事務所がアイドル声優として売り出してくれる</b>。どれだけの新人がこのポジションを望んでいるだろう。席はほんのわずか。そのわずかな特等席を、茂森愛由美は自らの足で蹴ったのだ。</p>
<p>しかし<strong>業界の名誉</strong>のために言っておく。茂森愛由美に対する<b>事務所のマネジメント方針</b>は決して間違ってはいない。客観的にはしごく当然の判断だろう。彼女の主観がそれを許さなかっただけだ。</p>
<p>「ますます気に入ったわ。私も愛由美ちゃんと呼んでいいかしら？」<br />
「おれも、そろそろいいかな？」</p>
<p>三条玲子と一柳がそう言うと、茂森愛由美はにっこり笑って返した。<br />
「はい、よろこんで。わたしも、玲子さんと呼ばせていただいていいですか？」</p>
<p>「おれも、そろそろいいかな？」と一柳がまた言った。<br />
そういえば一柳はずっと＂三条さん＂と呼んでいた。<br />
「おまえも<b>間のいいやつ</b>だ」と言って僕は一柳をからかった。</p>
<p>「先生、ありがとうございます。みなさんも、わたしのことで、いろいろ心配しておっしゃってくれて、ほんとわたし、うれしいやらお恥ずかしいやら…。そんなわけで、だからわたし、<b>有無を言わせない実力</b>をつけたくて、語り人先生にレッスンをお願いしたんです」</p>
<p>「アイドル路線じゃない<b>正統派の声優</b>としてスタートするために、だね？」</p>
<p>一柳はそう言ったあと、何かに気づいたようにハッとして僕の顏を見た。<br />
「まさか、語り人さん…」</p>
<p>どうやら一柳は僕の計画に気づいたようだ。<br />
「その話はあとにしよう」と僕は言った。</p>
<p>「さあ、記念撮影だよ。はい、みんなもっと寄って、寄って！」<br />
寺さんが４人を撮って、それから僕と茂森愛由美、一柳と三条玲子のツーショットを撮った。</p>
<p>「寺さん、本当は愛由美ちゃんをピンで撮りたいんでしょう？　回りくどいことしなくていいっすよ」と一柳が言うと、みんなが笑った。</p>
<p>「寺田さん、どうぞ撮ってください」と茂森愛由美が笑顔で言った。<br />
「ありがとう」と寺さんは言い訳するように言った。「いや、朝からずっと見てるから、茂森さんのあらゆる表情は頭に焼き付けてるんだけどさ、いちおう念のためにね」</p>
<p>「さあ、そろそろ行かないと、山田店長が待ってる。そうだ愛由美ちゃん、ひとり増えるって連絡入れといてくれるかな」写真撮影が終わると僕は言った。</p>
<p>「はい。すでに連絡ずみです」早い。さすが茂森愛由美だ。<br />
「玲子さん、このあとも付き合ってくれますね？」</p>
<p>「もちろんよ。愛由美ちゃんのこともっと聞きたいし、一柳さんと語り人さんの<b>事情聴取</b>も残ってるわ」と三条玲子はサラリと応えた。</p>
<p>「じ、事情聴取って！」一柳と僕は同時に悲鳴を上げた。</p>
<p>「ところで語り人さん、山田店長って、まさかこれから<b>四谷三丁目の焼鳥屋</b>に行くって、そういう話じゃないっすよね？」一柳が疑問を呈した。</p>
<p>「そういう話だよ」だからどうした？という感じで僕は言った。<br />
「えっ、<b>寿司でも焼肉でもオレの好きなもの何でも食っていい</b>って、そう言ったじゃないすか！」</p>
<p>「山田店長が愛由美ちゃんの<b>デビュー祝い</b>をしてくれる。個室をキープして待ってくれているんだ」</p>
<p>「じゃあ寿司は？　焼肉は？」一柳が不満の声を上げた。<br />
「いやなら、おまえはこなくていい」僕は一柳を見捨てた。</p>
<p>茂森愛由美が声を上げて笑いながら言った。<br />
「店長がお寿司を用意してくれるそうです」<br />
「ヤッホー！　寿司だ、寿司だ、寿司だぁ！」一柳ははしゃいだ。</p>
<p>玲子さんが軽蔑の目を向けると、一柳はおとなしくなった。</p>
<p>寺さんに挨拶をしてスタジオを出ると、日はすでに落ちていた。<br />
四谷三丁目に行くため、JR桜木町駅を超えて<b>地下鉄みなとみらい駅</b>に向かった。</p>
<p>昼間は上から見おろした<b>横浜コスモワールドの大観覧車</b>を、地上から見上げるポイントに僕たちは来ていた。そのとき咄嗟に僕は思いついた。</p>
<p>「なあ、みんな。<b>観覧車に乗らないか</b>」<br />
「わあ、語り人さん、グッドアイデアっす！　乗ります、乗ります！」</p>
<p>一柳が<b>歓声</b>を上げた。<br />
三条玲子が<b>呆れ顔</b>で一柳を見た。<br />
茂森愛由美が<b>潤んだ瞳</b>で僕を見た。</p>
<p>平日の夕方６時前で、なんとか待たずに乗れそうだった。<br />
定員８名のゴンドラ。僕は4人一緒に乗るものだと思っていたが、一柳が猛反対した。</p>
<p>「語り人さん、何を無粋なこと言ってるんすか。これは<b>想い合う二人のための乗り物</b>っすよ」<br />
「じゃあ、あななたち二人で乗ればいいわ」と三条玲子は一柳と僕に向かって言った。</p>
<p>「いやだなあ玲子さんたら、心にもないことを言わないで」<br />
そう言って一柳は三条玲子の手を取って、先にさっさと乗り込んだ。<br />
「<b>グッドラック！</b>」と言って僕と茂森愛由美にウインクを決めながら。</p>
<p>二人を乗せたゴンドラを見送って、次のゴンドラに茂森愛由美と乗り込むやいなや、目に閃光が走った。60体あるゴンドラおよび支柱が一斉に<b>ライトアップ</b>されたのだ。</p>
<p>横浜の町を鮮やかに彩るこの<b>日本最大級の観覧車「コスモロック</b><b>21</b><b>」</b>は、季節によりライトの色が変わる。<b>春はグリーン、夏はブルー、冬はピンク、</b>そして<b>秋はゴールド</b>だ。</p>
<p>全身が<b>煌めく金色</b>に包まれた。</p>
<p>茂森愛由美が甘えるように身体を寄せてきた。<br />
「先生、わたし、うれしい。また、<b>願いをかなえてくれて</b>」<br />
「じゃあ、<b>僕の願いもかなえて</b><b>くれるかな</b>」と僕は言った。</p>
<p>茂森愛由美があの目で僕をまっすぐ見据えて言った。<br />
「先生の願い？　わたし、何でもききます。おっしゃるとおりに」</p>
<p><b>金色のライト</b>のせいか、いつも以上に輝きを放つ彼女の目が眩しくて、<br />
その目が閉じられる前に、僕は言い訳をするように顔をそらし隣のゴンドラに視線を移した。</p>
<p>一柳が三条玲子の肩を抱き、<b>ふたり並んで同じ方向を見ていた</b>。<br />
<b>ベイブリッジ</b>の方向だ。</p>
<p>「<b>愛の架け橋</b>か…。よかったな、一柳」と僕は呟いた。</p>
<p>ゴンドラが半周して頂上に達した。地上112.5メートル。<br />
観覧車の全長としては世界で５番目だと聞いたことがある。</p>
<p><b>宝石を散りばめたような美しさ</b>といわれる<b>横浜の夜景</b>が<br />
視界いっぱいに広がった。</p>
<p>言わなければ。今だ。今、言うんだ！<br />
僕は大きく息を吸った。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>（次回、最終章につづく）</p>
<p>&nbsp;</p>
<div class="point">
<h3><span>今日のボイスメモ、あるいは、声にまつわるささやかな教訓</span></h3>
<ol>
<li>「親の顔が見たい」とよく言うが、その人を知りたければ友達の顏を見るほうが早いだろう。<span style="color: #ff6600;"><b>親もパートナーも恋人も知らない秘密</b></span>を友達が知っていたりする。</li>
<li>「率直さ」とは<span style="color: #ff6600;"><b>誰に対しても言動や態度や意見が変わらない</b></span>ことだ。<span style="color: #ff6600;"><b>ぶれない同じ自分でいる</b></span>こと。人によって自分を使い分けるのは役者の仕事だ。</li>
<li>誰かのために変わろうとすること。自分のために変わろうとすること。<br />
きっかけや理由は何でもいい。<span style="color: #ff6600;"><b>チェンジ（</b><b>CHANGE）のGをCに変えるだけでチャンス（CHANCE）になる</b></span>。</li>
<li>何であれ何かをやり遂げてしまう人は、<span style="color: #ff6600;"><b>素直さと頑固さを併せ持った人</b></span>だ。<span style="color: #ff6600;"><b>素直なだけでは流されやすく、頑固なだけでは真実が見えなくなる</b></span>。素直さと頑固さは矛盾しない。共存できるはず。「素直頑固」な人になれ。</li>
<li>人生は多かれ少なかれ人との出会いで決まる。今いる場所で決まる。誰と一緒にいるかで決まる。だったら自分で決めればいい。何処にいたいか。誰といたいか。何をしていたいか。<b><span style="color: #ff6600;">もっとも必要な力は「自ら決める力」</span>だ</b>。</li>
</ol>
</div>
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		</item>
		<item>
		<title>第3話5章　一流の条件</title>
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		<pubDate>Tue, 16 Sep 2014 05:17:58 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[kataribito]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[第3話　ボイスアクター編②　一流の証明]]></category>
		<category><![CDATA[ビル・ゲイツの英語]]></category>
		<category><![CDATA[リップシンク]]></category>
		<category><![CDATA[一流の条件]]></category>
		<category><![CDATA[世紀の対談]]></category>
		<category><![CDATA[個人レッスン]]></category>
		<category><![CDATA[初見読み]]></category>
		<category><![CDATA[吹き替え]]></category>
		<category><![CDATA[声優デビュー]]></category>
		<category><![CDATA[成功者の適正]]></category>
		<category><![CDATA[神７]]></category>

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		<description><![CDATA[茂森愛由美から手紙が届いたのだ。メールではなく、郵便で届けられた封書の手紙。彼女らしい端正な字体で綴られた、美しい日本語の手紙。 それから僕と茂森愛由美は、半年後の今も、毎週のように顔を合わせている。それを一柳は知らない [&#8230;]]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p>茂森愛由美から手紙が届いたのだ。メールではなく、郵便で届けられた封書の手紙。彼女らしい端正な字体で綴られた、美しい日本語の手紙。<br />
それから僕と茂森愛由美は、半年後の今も、毎週のように顔を合わせている。それを一柳は知らない。<span id="more-267"></span></p>
<p>（4章「<a href="http://kataribito.net/03/03-4/">一流の初恋</a>」のつづき）</p>
<p>1999年シアトルのワシントン大学で行われた、<b>ビル・ゲイツとウォーレン・バフェットの夢の対談</b>。いわずと知れたマイクロソフトの創始者と投資の神様だ。当時、この世界No.1とNo.2の億万長者の顔合わせは「<b>世紀の対談</b>」といわれた。</p>
<p>翻訳作業は順調に進んでいくかに見えたが、あるところで苦戦を強いられにっちもさっちもいかなくなった（「にっちもさっちも」って、漢字で「二進も三進も」って書くんだって。知ってた？）</p>
<p><b>ビル・ゲイツの英語</b>は正確でわかりやすい。語り口も端正で言語明瞭。ユーモアも上品で洗練されていて、なんの問題もない。</p>
<p>参考までにここで一例として、ふたりの生しゃべりを紹介しよう。<br />
ゲイツはこんな具合だ。</p>
<p>「ええ。大学を辞めて会社を興すことに不安はありませんでした。創業のころはリスクのことなんか考えもしませんでしたよ。ただひとつ怖かったのは、何だと思います？　それはね、<b>雇った友人が給料をほしがったこと</b>です（学生たちの大爆笑）」（語り人訳）</p>
<p>一方、バフェットはというと、軽妙洒脱なユーモア精神の持ち主で語りの名手としても名高いが、<b>自分のジョークに自分で笑う</b>という禁じ手も多い。こんな感じ。</p>
<p>「人々がよくいうセリフはこうだ。『好きでもないけど、あと10年はこの仕事をつづけて、そのあとにやりたかったことをやるんだ』って。笑っちゃうね！　これは<b>年寄りになったときのためにセックスを控えている</b>ようなもので、なんともばかげた話だと思わないか（自分で爆笑）」（語り人訳）</p>
<p>バフェットの話には、この手の喩えが頻繁に出てきて苦笑を禁じえないのだけど、それは別にして翻訳上の問題があった。彼の声はダミ声で、話し方はしばしば言語不明瞭。ときにスラングも飛び出す。もともとの音源の悪さも手伝って、聴き取りにくいことこの上ない。</p>
<p>そう、問題はウォーレン・バフェットだった。それでなくても僕は<strong>リスニング</strong>が苦手で、いくつかのフレーズはもうさっぱりお手上げで、<strong>ネイティブスピーカー</strong>に教えを乞わなければならかった（それでもわからない単語や言い回しは残った）。</p>
<p>そんなわけで、結局そこは前後の文脈から無難で適切と思われる日本語をあてることになった。一柳だったらきっとそこは<b>下ネタ風のアレンジ</b>を加えるんだろうな、と思いながら。</p>
<p>収録日の前々日、僕は一柳に<b>台本と映像</b>をメールで送った。<br />
当日の<b>初見読み</b>を宣言した一柳だったが、やつはきっと事前に台本に目を通したいはずだ。目を通したいどころか、映像と合わせてしっかり読み込みたいに決まっている。これは<b>ナレーション</b>じゃない。<b>吹き替え</b>なのだ。</p>
<p>吹き替えで映像の人物の口の動きに声を合わせることを<b>リップシンク</b>という。<b>完璧なリップシンク</b>になるように、翻訳した日本語はいつも以上に精査し、台本を仕上げた。</p>
<p>収録日当日。朝の10時にスタジオ入りした。この吹き替え収録を行なうときにいつも利用している<b>横浜のスタジオ</b>だ。</p>
<p>ドアを開けると待ってましたとばかりに、<b>スタジオのオーナー兼レコーディング・エンジニア</b>の寺さんこと寺田さんが、いきなり僕のみぞおちあたりをパンチで連打し、<b>興奮を押し殺した声</b>で言った。</p>
<p>「語り人くん、あの子、だれさ？　あの、しょんべんチビっちゃいそうな美人ちゃんだよ。どっかのアイドル？」</p>
<p>寺さんは、この横浜の地にスタジオを構えて30年のベテランだ。僕とは20年来の付き合いになる。</p>
<p>自分が産まれ育って親から譲り受けた７階建てのビルの地下で、「ここがおれの遊び場」と言いながら、毎日楽しそうに働いている。</p>
<p>あちこちのレコーディングスタジオが次々と廃業に追い込まれるなか、彼の少年のような親しみやすい人柄と、都内の半額以下という料金の安さもあって、都内からの利用者も呼び込む人気のスタジオなのだ。</p>
<p>マンガ大好きの寺さんの趣味は<b>フィギュア制作</b>だ。<br />
いや、趣味なんてもんじゃない。<b>副業か本業か</b>。そんなこともどうでもいいくらい、とにかく<strong>プロ</strong>なのだ。評判が評判を呼び全国から注文を受けるほどで、とりわけ彼の<b>美少女フィギュア</b>はマニア垂涎の的となっている。</p>
<p>スタジオの一画にフィギュアコーナーがあり、寺さん作のさまざまなフィギュアが特別仕様のケースに陳列されている。そしてそのセンターの座を占めるのが、彼の真骨頂というべき「美少女フィギュア」だ。その数30体で、これは非売品だそうだ。</p>
<p>「これ、おれのベスト30ね。1体50万で売ってくれって言われても売らなかったさ」と寺さんは、可愛いわが子を守り抜く父親のような顔で自慢する。</p>
<p>フィギュアの足元にはそれぞれ名札がついている。「水島愛理」とか「近藤優子」とか「足立香苗」とか、30体全員に名前があるのだ。</p>
<p>その人気はマニアたちがネットで<strong>ファン投票</strong>を行うほどの盛り上がりで、上位７人は「<b>神７</b>」と呼ばれている。センターは２年連続で水島愛理が取っており、アイリーンの愛称で呼ばれ絶大な人気を誇っている。</p>
<p>「これ、みんな本名だよ。おれが今まで実際に会って、しょんべんチビりそうになった女の子たち」寺さんはフィギュアに興味を示すお客さんがくると、うれしそうに目を細める。</p>
<p>そんな、しょんべんチビっちゃうほどの美少女が突然、生身の姿で目の前に現れたものだから「これは一大事！」と、寺さんは朝から興奮しているのだ。</p>
<p>「えっ、もう来てますか？　10時半でいいって言ったのに」と僕は時計を見ながら言った。「彼女は今日、女性のパートを担当してもらう声優さん。まだ卵ですけどね」</p>
<p>「ねえ語り人くん、頼むよ。紹介してよ。おれ、久しぶりにビビッときちゃったよ。その、制作意欲をかきたてられたっていうかさ。あの子のフィギュアをさ、作りたいんだよね」</p>
<p>寺さんは来年還暦を迎えるというのにとても若々しく、なおかつシャイな人で、こんな商売をやっていながら女性とろくに話もできない純情派だ。</p>
<p>「いや、挨拶はしたよ。名前、名乗っただけだけどさ。おれ緊張しちゃって、チビりそうだったんでトイレ行ってさ。そのあと熱心に台本読んでるから話しかけるのも悪いし、邪魔しちゃいけないと思ってさ。ここで語り人くんがくるのを今か今かと待ってたわけよ。えっと、茂森さんっていったかな」</p>
<p>茂森愛由美──<br />
僕だって今でこそ慣れたけど、半年前に彼女と連絡先の交換をしたとき、緊張して何も言えなかった。ましてや女性に奥手で、フィギュアとしかまともに話しができない寺さんだ。無理もない。</p>
<p>「寺さん、まあ落ち着いて。とにかく行きましょう。ちゃんと紹介しますから」と言って、僕は奥のロビーに入っていった。</p>
<p>４卓ある丸テーブルのひとつに姿勢よく腰をかけ、ペンを手に真剣な表情で台本を読んでいる茂森愛由美がいた。僕の姿を認めると顔中に笑みが広がり、きびきびした動作で立ち上がった。</p>
<p>「おはようございます！　なんだか落ちつかなくて、早くきてしまいました。ご迷惑ではなかったでしょうか」</p>
<p>「おはよう」と僕は笑って返した。「僕は迷惑じゃない。だけど、スタジオの人はどうかな。迷惑だったかもしれないよ」</p>
<p>すると寺さんは顔を真っ赤にして割って入った。「迷惑だなんて、とんでもない！　営業は９時からだもん。もう１時間早くたってよかったさ。語り人くん、バカなこと言わないでよ」</p>
<p>ここで二人をそれぞれ紹介してから、僕はあらためて茂森愛由美に向かって言った。「現場には早くて15分前だ。それより早いと邪魔になる場合がある。早く着いてしまったときは近場でお茶をするか、軽い発声をしながら周辺を歩くといい」</p>
<p>「うちは問題ないさ！」寺さんがまた割って入った。「お茶はここで飲めばいいし、発声もここでやればいいよ。部屋は、じゃなくてブースは４つもあるんだ。いつきてくれたっていいさ」緊張しながらも、寺さんはなかなか大胆な発言をした。</p>
<p>「先生、常識が足りなくて申し訳ありませんでした。以後、肝に銘じます」茂森愛由美は僕に頭を下げてから、寺さんを見て言った。「ありがとうございます。お心遣いに感謝します」</p>
<p>茂森愛由美にそう言われ、寺さんはまた真っ赤になって「なーんも、なーんも！」と言いながら、顔の前で激しく片手を振った。</p>
<p>この辺でそろそろ説明する必要があるだろう。</p>
<p>半年前、僕は茂森愛由美から手紙をもらった。<br />
それは僕に、<b>個人レッスンを依頼する</b>内容の手紙だった。</p>
<p>養成所では１クラス20名もいて、とても一人一人フォローできる体制ではない。<b>自分はもっともっと学びたいし、もっともっと実践的な指導を欲している。</b><b></b></p>
<p>また<b>養成所の講師</b>に対しても、あることがあってから少なからず不信感を抱いている。<b>レッスンより男女交際に熱心な人</b>も見受けられる。<b>とにかく自分は集中したいのだ。</b>そんなことが書かれていた。</p>
<p>ほかでもない、こういう展開になることを僕は期待もし、同時に恐れてもいたのだ。その後のやり取りの詳細は省くが、とにかく僕は茂森愛由美の申し出を承諾した。</p>
<p>どうして断ることなどできただろう。断るとすれば、理由は何だ？</p>
<p><b>愚鈍な中年男</b>になるのが怖い。それもある。でもそれ以上の理由がある。<br />
僕は彼女に、実は<b>方向転換してほしい</b>と思っていた。<b>声優ではなく、</b><b>別の道に進んでほしい</b>と。</p>
<p>ならば申し出を断るのではなく受けることで、つまり<b>彼女と関わることで、その見極めをしよう</b>。そう考えたのだ。</p>
<p><b>週に一回、</b><b>90</b><b>分の個人レッスン</b>。場所は四谷三丁目。彼女がアルバイトをしている焼鳥屋。店長の山田さんがぜひ使ってくれと、店にある個室スペースを提供してくれた。もちろん開店前の時間帯だ。</p>
<p>レッスンが終わると茂森愛由美はそのまま勤務につく。そして僕はといえば、まことにありがたいことに、店長の好意で賄いをご馳走になる。</p>
<p>賄いは料理の得意なスタッフが作ってくれることになっていたが、茂森愛由美はそれでは申し訳ないと、レッスンの日は自ら腕を奮ってくれている。そして、その日の復習をしながら一緒にいただく。</p>
<p>仕事のない日はそのまま少し飲んで帰る。また近場で仕事が終わったときは顔を出し、ときには人を連れて暖簾をくぐるようにもなった。</p>
<p>つまり週に2.3回、僕は茂森愛由美と顔を合わせていることになる。山田店長とは今ではすっかり同士のような仲になり、店のスタッフたちとも気の置けない関係になった。</p>
<p>茂森愛由美は着実に力をつけていた。<b>できなかったことができるようになる喜び、楽しさ</b>。これを幼いころから勉強と空手の稽古で知っている彼女は、<b>ひとつひとつの課題を確実にものにするコツ</b>を心得ていた。</p>
<p><b>感情や気分のばらつきが少なく、勤勉であり高い集中力を持っている。何より素直で可愛げがあり礼儀正しかった。</b><b></b></p>
<p>こうした資質こそが、僕に言わせれば<b>一流の条件</b>であり、<b>成功者の適正</b>なのだ。それがこの半年間で得た、茂森愛由美に対する僕の評価だった。</p>
<p><b>そしていよいよ、彼女にとって実践のときが訪れた。<br />
</b>ちょうどタイミングよく、女性の声が必用な案件が回ってきた。しかも、彼女にぴったりの役どころが。（タイミングのよさも彼女のえがたい才能のひとつだ）。</p>
<p>ひとつはアメリカのある<b>テレビ局のアナウンサー</b>の役。話題の人をゲストに迎え、女性アナウンサーがインタビューする番組。ゲストは作家でありカリスマ・マーケターとして日本でも有名な人物。その声は僕が担当する。</p>
<p>そしてもうひとつの役が、<b>米国コロンビア大学のエリート女子学生</b>だ。例のビル・ゲイツとウォーレン・バフェットの対談で、ふたりに質問する女子学生の役を、声を変えて二人分やってもらうことにした。四人いる男子学生の役は、一柳と僕で分担するつもりでいた。</p>
<p>僕が正式にオファーを出すと、茂森愛由美は初めての声の仕事に飛び上って喜んだ。その勢いで僕に抱きつくと「わたし、先生にお会いできて本当によかった」と涙声で言った。</p>
<p>「喜ぶのはまだ早いぞ」体を引き離してから、僕はわざと冷たく言い放った。<br />
「レッスンはこれからもっと厳しくなる。<b>正確な母音</b>と<b>キレのある子音の発音</b>。<b>拗音の精度</b>も上げていかなきゃ。語尾が弱くなる弱点も克服してもらう。<b>アナウンサーの語尾を強く響かせる発声法</b>をマスターするんだ」</p>
<p>「はい、先生についていきます」茂森愛由美は鼻をすすりながら言った。</p>
<p>「その声だ！」僕は雑念を払い、彼女の声だけに集中した。<br />
「いま鼻声になったことで<b>艶と響き</b>が加わった」そう言って、<b>アナウンサーがやっている鼻で響かせる鼻共鳴と鼻うがいの方法</b>を教えた。</p>
<p>それからノートパソコンを開いて映像を見せた。正味20分ほどのインタビューだ。ひと通り見終わると茂森愛由美は、<b>翻訳台本</b>はいつもらえるのかと訊いた。</p>
<p>「僕は<b>ゲイツとバフェットの翻訳</b>に傾注したい。だからインタビューのほうは、下訳を誰かに頼もうと思っている」というと、彼女は僕の目を真っ直ぐに見据えて言った。</p>
<p>「あの先生、わたしがやってはだめですか？」</p>
<p>英検１級、TOEICは900点超。茂森愛由美が英語に堪能なことを聞いていた僕は、その選択肢も考えないわけではなかった。でもいくら英語ができても翻訳はヘタクソという人を僕はたくさん知っている。<b>翻訳は英語力以上に日本語力が求められる</b>からだ。</p>
<p>それになんといっても今は、<b>声優のトレーニングに専心させるべきときだ</b>という思いもあった。たとえこの先、方向転換させるにしても。</p>
<p>「だれかに頼むなら、わたしにやらせてください。先生は、<b>自分が声をあてるなら翻訳から責任を持ちたい</b>と、このお仕事を始められたと聞きました。わたしも、そうしたいです」</p>
<p>「大学の勉強とボイスレッスンとアルバイト、時間はあるのか？」<br />
「わたし、先生が目標なんです」<br />
「僕は根無し草だ。目標にしちゃいけない。君にはもっと…」</p>
<p>君には<b>もっと高いところを目指してほしい</b>。そう言おうとする僕を、茂森愛由美は遮った。「ピシャリ」と音がするような見事な遮り方。本当に間のいい子だ。</p>
<p>「時間はだいじょうぶです。では、そういうことで。あと、<b>ゲイツとバフェットの映像</b>もお願いします。学生のパートも、わたしが訳します」</p>
<p>そう言って頑固な性質を垣間見せた彼女だが、結論を言うと、完成した翻訳は想像以上にできていた。「ざっとした下訳でいい。あとは僕が調整する」と念を押していたのに、すでに<b>吹き替え翻訳</b>の体をなしていた。</p>
<p>ときどき顔を覗かせる<b>翻訳調の言い回し</b>、訳としては正しくても、<b>誤訳を恐れずあえて大胆に意訳すべき語句</b>、そして<b>語尾の収め方</b>など、いくつか修正を要するポイントはあるものの、それでもじゅうぶん合格点をあげていい完成度だった。</p>
<p>英語に関しては僕なんかよりはるかに高い能力を持っていることはわかっていた。なにしろ僕は、英検１級の二次試験を３回受験して３回落ちた劣等性だ。TOEICには挑戦すらしていない。900点なんてとんでもない。たぶん700点もいかないだろう。</p>
<p>翻訳が完成したら、あとはひたすら<b>読み込み</b>だ。レッスンで、<b>映像を流しながら実際に声をあてていく練習</b>を何度も繰り返した。勘がいいうえに努力家の彼女は、みるみる役をものにしていった。</p>
<p>そのようにして、僕たちは収録の日を迎えた。茂森愛由美にとっては<b>記念すべき声優デビューの日</b>を。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>（次章につづく）</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<div class="point">
<h3><span>今日のボイスメモ、あるいは、声にまつわるささやかな教訓</span></h3>
<ol>
<li>パートナーを選ぶとき重視すべきは<span style="color: #ff6600;"><b>お金に対する価値観</b></span>だと思う。つまりお金にきれいかどうか。それは事業も結婚も同じだ。</li>
<li>やりたいことを諦めきれず<span style="color: #ff6600;"><b>再チャレンジ</b></span>する。一度目はダメだった。二度目もドロップアウトする人は、<span style="color: #ff6600;"><b>一度目になぜダメだったのか</b></span>を正しく理解しないまま進むからだ。</li>
<li>「こっちが<span style="color: #ff6600;"><b>本業</b></span>であっちが<span style="color: #ff6600;"><b>副業</b></span>」などと言っているうちは、どっちもたかが知れている。</li>
<li>ろくに本も読まないくせに<span style="color: #ff6600;"><b>声優・ナレーターになりたがる人</b></span>が多いのはどうしたものか。</li>
<li><span style="color: #ff6600;"><b>できなかったことができるようになる。</b></span>その嬉しさ・楽しさをそこで終わらせないように。まぐれではなく<span style="color: #ff6600;"><b>法則化させ習慣化させ、そして身体化させ技化させていく</b>。</span></li>
<li><span style="color: #ff6600;"><b>感情や気分のばらつきがなく、勤勉であり高い集中力を持っている。何より素直で可愛げがあり礼儀正しい。</b></span>そんな人は少ない。だから一流なのだ。</li>
</ol>
</div>
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